■熱海の第一次産業の可能性
熱海は観光を中心とした第三次産業が約86%と大半を占め、第一次産業は産業全体のうち1.6%と、ごくごくわずかな割合しかありません(全国平均は第一次産業は約4%、第三次産業は約71%。2015年データ)。しかし観光地としての持続可能性を考えても第一次次産業はとても重要だと思っています。
最近では熱海の森林を守るNPO法人「熱海キコリーズ」や、橙の栽培や加工品に取り組む「シトライカンパニー」など、林業、農業と熱海の第一次産業にもさまざまな動きが生まれてきています。
一方で熱海の目の前に広がっている“海”はどうでしょうか。2010年より活動をしてきた私たちNPO法人atamistaも、以前から海に着目し、何かできないかと思っていました。
■地域プレイヤーの動きで、海の可能性と課題にアプローチできるプロジェクトが始動
今回、水野綾子さんからお話があり、熱海の海の豊かさや面白さを伝えていく取り組みがスタートしました(水野綾子さんは、首都圏と熱海の企業を「複業」で繋ぐCIRCULATION LIFEなど、新しい価値感や可能性を作る・編集する取り組みをしています)。
水野さんは2021年末より熱海の海や海洋資源、海に関わる人や団体の取り組みをヒアリング・リサーチし始め、そこに大きな可能性と、反面課題があることを知ったと言います。2021年度より正式に日本財団「海と日本プロジェクト」の助成を得て、今回の「海と食の地域モデルin熱海」プロジェクトをNPO法人atamistaとして関わることとなりました。
このプロジェクトは、熱海の海の豊かさや魅力を伝えるというビジョンのもと、熱海で意図せず獲れてしまう「未活用魚」の価値化を入り口にした活動を行っていきます。私たちが馴染み深い「アジ」「サバ」も種類や季節によっては、価値が低い・買い手がつきづらい「未活用魚」になるそうです。
取り組みについての詳細はこちらをご覧ください。イベントの紹介と共にこのプロジェクトが何を目指しているのかを詳しく記載しています。
日本で獲れる魚の“3割”が獲れる熱海の海の可能性って?「熱海の海と魚を知る体験イベント」を開催しますhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000077920.html
(※イベントの参加枠はすでに埋まってしまったようですが、キャンセル待ちでもよければぜひお申し込みください)
■「地域で動き出す一歩目を後押しする」私たちNPO法人atamistaの役割
NPO法人atamistaは自らが課題解決に挑むのはもちろんですが、地域や社会の課題解決に挑んでいく個人や団体などと協業し、社会課題解決・価値創造に取り組んでいきたいと考えています。
実は数年前にも同様に、「熱海から持続可能なアートプロジェクトを企画・運営できる人材を育成すること」を目指し取り組みを始めた戸井田雄さんと共に、ミーツバイアーツのプロジェクトを始めました。その後、戸井田さんは一般社団法人ミーツバイアーツを立ち上げ、自立し活動を継続・発展させています。
私自身も自ら株式会社machimoriで熱海の中心市街地再生に取組んでいますが、これも当初はNPO法人atamistaで行った課題のリサーチや人材育成の取り組みがあってこそ。それにより、株式会社machimoriという中心市街地再生に挑み課題解決していく事業体を生み出すことができました。
何か新しいことを始めようと思った時、例えそれが社会的に価値あることであったとしても、動き出しの段階では、地域や行政、金融機関、助成団体等の支援を受けれないこともあります。
だからこそ、私たちNPO法人atamistaはこうした個人や団体が、まず始めの一歩を踏み出せるための必要な後押し(足りないところを補完する)をしたいと思っています。
■サステナブルな社会をつくるためにプレイヤーやプロジェクトを応援したい
地域の可能性や課題を切り取り、プロジェクトを立ち上げ、そして社会へのメッセージを投げかけていく。そんな人たちが熱海でも続々と生まれてきていることをとても嬉しく思っています。
私たちNPO法人atamistaのミッションは「100年後も豊かな暮らしができるまちをつくる」こと。社会(地域コミュニティ)、経済、環境、文化を再生するような人と事業を生み出していくことを掲げています。
だからこそ、理念と目指す社会イメージが合致し、社会的意義のある活動を応援していきます。
まずはこの7月初旬のイベントを皮切りにスタートする「海と食の地域モデルin熱海」プロジェクトの応援をよろしくお願いします!
事業概要
事業名称:海と食の地域モデルin熱海(NPO法人atamista)
電話番号:090-3309-3788(担当:水野)
プロジェクト責任者 :水野綾子
活動内容:「熱海の海の豊かさを」への興味を高め理解を深め、海に関わる人材や団体を可視化・接続・育成へとつなげたり、文化や食の可能性を育てるため、熱海で獲れる“多品種小ロット”の未活用魚の価値化を多角度的に実施していく。
SNS:https://bit.ly/3gczUIk
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/